ロックとジーンズ
今回も日本のロックです。
先日ケーブルTVを流し見していると、
『人類の進化は必ずしも段階的になされたものではなく
天変地異などの折りに突然変異的に現れたグループによって
なされたものではないか』
といったことが番組のなかで語られていました。
西洋で産まれたROC'K'NROLLが
東洋の小さな島国である日本で
ここまで根付いたのも、
ごく何人かのキーマンの存在無しではなし得なかったのではないでしょうか?
そんなキーマンのひとり
伝説のロッカー 山口 冨士夫の「ひまつぶし」です。
これも伝説のグループ 村八分 が解散したスグ後の1974年に発表。
「暇つぶしにつくった。」といわんばかりの、
イラストを貼り付けただけのようなそっけないジャケット。
でも、このジャケットからインスパイアされたミュージシャンも多いのではないかな?
特にこのタートルとキャスケット。
ジーンズメーカーとしてちょっとツッコみたいのが冨士夫さんが穿いているジーンズ。
↓
今で言うシューカットのジーンズ。右脚の外側と左脚の内側に縫い目があります。
これをビッグジョンの縫製用語で言うと
「脇-インター前身高0.7cm単線押さえ&大股-インター前身高0.7cm単線押さえ」といったふうになりますが、
この縫い仕様のジーンズを作成するためにはジーンズのレッグ部分を通すことができる
特別なミシンが必要になります。
よほどのこだわりがない限りこのような手の込んだジーンズは企画しないでしようね。
とか言って、
イラストとしてはすごく雰囲気のあるイラストだと思います。揚げ足取ってるんじゃないですヨ。あしからず。
鮎川 誠さんが以前お話をうかがったときに山口冨士夫さんに触れて、
「天才やね。ギターに触れて出た音のひとつひとつがもうそれでロックなんよね」
という意味のことをおっしゃってました。。。
アルバムは、ロックの原初的なカタチが凝縮されたようです。
ギターもボーカルも、これは、
聴いてる人にウケようとかまったく思っていないように聴こえます。
それゆえ、嬉しいときにも、悲しいときにもそれなりにカラダに入ってくる音楽です。
機会があればぜひ聴いてみてください。
冨士夫さんの経歴を少し。
日本人の母とイギリス人の父のあいだに生まれるが孤児院で育つ。
グループサウンズのブームの中 「ダイナマイツ 」でデビュー
(これ唯一のオリジナルアルバム。後列向かって左端が冨士夫さん。CD化されてます)
その後、これも伝説のチャー坊らと「村八分」結成。
今では村八分時代の音源を含め、いくつもの音源が発売されています。
しかも冨士夫さんは大病を抱えながらもいまだに現役です。
僕も何度かそのliveを目にしました。
最近ではシークレットに近いかたちでいきなり行なわれた
大震災後の京都でのlive。
ここでギターのみで冨士夫さんの即興の歌詞で演奏された「ギミー・シェルター」。
リアルすぎでした!
いまだに多くのミュージシャンに影響を与えている男
山口 冨士夫です。
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