こんにちは、児島本社MATSUDAです。
最後のキーワード
【限界への挑戦】
倉敷・児島の歴史に欠かせない「帆布」。
撚り合わせた糸を用い、1平方メートルあたり8オンス(約227g)以上の平織りの地厚織物
の事を「帆布」と呼びます。
帆布はその厚さにより1号~11号まであり、数字が小さくなるほど厚くなります。
そして1号、2号、3号帆布は、今では生産されておらず現存するのは世界でも数台しかない
ベルギー製の力織機でしか織る事が出来ません。
我々は1号、2号、3号の帆布を縫製工場に持ち込みます。
「これでパンツを作りたいんです!しかも、縫い合わせただけではない、通常のジーンズ仕様で!」
「 ・ ・ ・ 」
無言。 これが答えなのかもしれません。
確かに通常のデニムと同じミシン、同じやり方で縫えるものではない事はわかっていました。
通常のジーンズ仕様にすると、何重もの生地の重なりを縫わなくてはなりません。
そして、この挑戦に関わる時間があれば、通常のジーンズが何本も縫えてしまうのです。
しかし、意外な答えが・・・・
「やってみましょう!縫製の限界に挑戦してみましょう!」
モノづくりに対する熱い思い! 嬉しかった!
しかし、ミシンは悲鳴をあげます。
ミシンの針が生地に刺さりません。
刺さったと思えば、今度は抜けません。
デニムは綾織物です。綾織物はどんなに厚くなっても組織が動きやすく、針は生地を貫通します。
しかし帆布は撚り合わせた糸を平織りにした生地。
しかも極厚。
針はその高い密度の生地を貫通したとしても、抜く事が出来ないのです。
その、根本的な問題を、針の太さの調整やミシンの改造で何とか解決していきます。
そして、ジーンズ仕様にすると何枚もの生地の重なりを縫わなくてはならず、
あまりの生地厚に縫い進める事が出来ません。(ミシンが生地を送りません)
常に折り目を木づちで叩きながらミシンへと誘導していきます。
木づちで叩く・・・
そう、株式会社 ビッグジョン 創業者 尾崎小太郎が初めて未知の素材であるデニムと
出会った時と同じなのです。
そして、このような困難を乗り越えて【G帆】は完成します。
そして、ここからは皆さんが挑戦する番です。
この商品は、履き心地を求めた作った商品ではありません。
着用しない状態で、ロールアップする事すら困難です。
着用すると足を曲げるたびに生地の凹凸で皮膚が擦れます。
G帆の下にタイツを穿くと、タイツが破れる可能性があります。
洗濯機に入れると、洗濯機が破損する可能性がありますので、手洗いをしなくてはなりません。
そう、生半可な気持ちでこのパンツを穿く事は出来ないのです。
しかし、着用を重ね、洗濯を重ねたその風合いは未知数です。
誰も作った事がない、誰も履き込んだことがない、だから未知数なのです。
9月11日デビュー
最近のコメント